2013.02.22

精密機器輸送では梱包が重要となる半導体装置

エレクトロニクス関連の製造装置や研究用実験機器はどれもデリケートで、こうした分野の精密機器輸送では神経をとがらせることが数多くあります。半導体装置の中でも特に真空用機器はパーツの接触部分の梱包をおろそかにすると大変なことになります。

製品、研究どちらにおいても半導体を扱う際には、機器の中で真空という特殊な環境を作ります。真空とは簡単に言えば空気がないことです。つまり、中に酸素や窒素などのガスが一切含まれない空間を作り出さなければなりません。このような環境がないと良質な半導体製品を作ることができないのです。半導体製造装置内の真空状態はよくある真空パックとは比べものにはならないくらいのもので、大気圏よりもさらに地球から離れた宇宙空間くらいの環境が必要です。

このような高真空状態を作り出すためには、半導体装置のパーツ一つ一つがわずかな空気漏れを起こしてはなりません。髪の毛一本ほど太さの傷でも付けば一大事です。最も空気が入り込みやすいのはパーツごとの接触部分です。半導体装置はユニットごとに分かれており、さらに細かな部品が何種類もあります。大型の半導体装置であれば搬送時に分解しなければなりません。その際に、接触部分は傷が付かないような梱包をしっかり行わなくてはなりません。作業時に実物を見てみるとわかりますが、接触部分は研磨されて傷ひとつないのがよくわかります。精密機器輸送時はこの状態のまま運ばなくてはなりません。

精密機器輸送の中でもとりわけ衝撃や破損を嫌うのが半導体製造装置です。精密機器輸送もトラックを使うのが基本です。振動でパーツがこすれたり、傷がつかないように梱包と安全運転は細心の注意を払うことが何より必要です。

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