精密機器輸送の豆知識:湿気が精密機器に与える影響!
精密機器は、湿気に非常に弱いです。梅雨になると電化製品が壊れやすくなるのはそのためです。
電源が入っていればショートのトラブル原因になります。さらに、精密機器は金属ですから、水分により部品の腐食(特にサビ)がおきます。
1つ詳しい現象を例に出しますと、「イオンマイグレーション」というものがあります。
これは、水の分子が金属に付着した際、電圧が印加(いんか)されます。そして金属の表面から金属イオンが溶ける現象です。これが進行すると、隣の導体と繋がり短絡します。さらに、導体と接触した時の大電流で回路が焼き切れることがあります。ですから、精密機器輸送では湿気対策は非常に重要になります。では、具体的にどういった方法があるのか、例を挙げていきます。
・密閉木箱梱包
隙間を板材で塞ぎ密閉します。
・コンテナライナー
アルミで表面を特殊加工したシート。
過度な温度変化や高湿度からコンテナを守る。
・バリア梱包
主に輸出する時に使用。精密機器に厳禁な海水や、寒暖差による湿気、そして湿気により発生するサビを防止する方法です。防湿バリアメタルで覆い、真空状態(空気を抜く)にして、乾燥剤で湿気除去し梱包します。
航空便での精密機器輸送なら、日数の大幅短縮でサビのリスクも大幅に下がります。湿気に弱い機器なので航空便を利用できれば一番良いのですが、荷物によっては飛行機に入らなかったり、船に比べてコストが非常に高く、多用できていないのが現状です。当然、その精密機器輸送でのコストは企業ではなく、お客さまの利用料金になりますので頻繁に利用することも難しいでしょう。
デリケートな機器を精密機器輸送業者に依頼する際には、どのような湿気対策をしてくれるのかをしっかり相談しておきましょう。